婚約者☆未満
あたしがそう言うと、伊織は少し意外そうな顔をした。
「ずいぶん殊勝なことを言うんだな」
「別にそんなんじゃないよ!
ただ、使い慣れたベッドの方がよく眠れるんじゃないかと思っただけ」
慌てて言い訳したけど、伊織はそれを聞いて笑った。
「俺は枕が変わったからって眠れなくなるタイプじゃない。
それとも……」
伊織はニヤリといやな笑い方をした。
「一緒に寝て欲しいのか?」
なっ!
「なに言ってんの!
そんなわけ……」