婚約者☆未満
席に案内されてみると、平日でまだ時間が早いせいかお客が少なかった。
4人掛けの席で、正面を避けて斜め向かいに座ってみたけど、それでも気詰まりなことに変わりはなかった。
何か喋らないと……
「あのさ、昨日家でやってた仕事って、どんなこと?」
プライベートの趣味とかわかんないし、無難そうな仕事のことを聞いてみた。
あたしの手元を見ていた伊織は視線を上げて答えた。
「もうすぐウエディングフェアをやると言っただろ?
そのための準備だ」
ああ、そういえば、そんなこと言ってたっけ。