婚約者☆未満
あたしが黙っていると、伊織は下から覗き込むようにあたしの顔を見た。
「なんだ、元気ないな?
疲れたのか?」
自己嫌悪にかられてたあたしは、情けなくて正直には言えず、あいまいに頷いた。
「うん……、ちょっとね」
「そうか。
じゃあ、今日は早めに寝ろ」
「うん……」
食欲もあまりなくて、頼んだグラタンは半分くらい残してしまった。
伊織は、あたしは疲れてると思い込んだようで、その後はあまり話しかけてこなかった。