婚約者☆未満
「おい、大丈夫か?」
シャワーから出て、冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲んでいると、伊織に声をかけられた。
あたしは顔を上げて伊織を見た。
「べつに……」
伊織は今日もパソコンに向かって仕事をしていた。
灰皿には煙を立ち上らせているタバコが置いてあった。
あたしはキッチンを出てベッドルームに向かおうとした。
でも、立ち上がってきた伊織に進路をはばまれた。
あたしは目の前に立った伊織を見上げた。
「なに?」