婚約者☆未満
すると、伊織は立ち上がった。
え?
アワアワしながら伊織の動きを見守ってると、伊織はあたしをじっと見つめてきた。
あー、なんか言わなきゃ!
「あの、えっと、さっきの話だけど……」
「セックスしたいのか?」
あたしはブンブンと首を振った。
「いやっ、そうじゃなくて、王子のこと!
あたし、もう王子じゃないからっ!
えっと、つまり、あたしが好きなのは王子じゃなくて……」
えーい、勇気出せ、あたしっ!