婚約者☆未満

コンコン。


「はい」


あたしがドアを開けると、パパが大きなデスクの向こうで顔を上げた。


いたいた。


あたしは笑顔を作って広い社長室に入っていった。


「おお、礼奈か、どうした?」


眼鏡の位置を直しながら聞いてきたパパに、あたしは甘え声を出した。


「ねえ、パパぁ、ちょっと休憩させて~」


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