婚約者☆未満

俺はその姿を斜め後ろから眺めた。


ほら、よく似合ってる。

礼奈はスタイルがいいし、センスもいいから、たいてい似合うのを選ぶ。

だから、『いいじゃないか』って言ってるんだ。


見ていると、表情が明るい。

気に入ったんだろう。


「ほら、貸せよ」


「えっ!?」


戸惑う礼奈からTシャツを奪い、レジへ。


「ちょっ、伊織!」


さっさと会計を済ませて礼奈の手を引き、店の外へ連れ出した。


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