婚約者☆未満
「ほら、見てっ!
夕日がすっごくきれい!」
「ああ」
俺たちは向かい合わせにゴンドラに乗って、景色を眺めていた。
たしかにちょうど日が暮れる間際で、空が美しく色づいている。
「あ、レインボーブリッジ!
ねえ、向こうのってディズニーランドのシンデレラ城じゃない?」
「そうみたいだな」
俺は、はしゃぐ礼奈の指差す方を見て頷いた。
ゴンドラはなおも高く上っていく。
そして、上がるにつれて風当たりが強くなるのか、思いのほかゴンドラは大きく揺れ始めた。