婚約者☆未満
倉本さんはそれらに会釈してこたえながら、スタスタと事務所の奥へ向かう。
着いたところは、支店長室。
開いていたドアから入っていくと、デスクのそばに貝塚さんが立っていた。
あ!ほら、やっぱり!
あたしはやはり貝塚さんが支店長なのたのだと思ったけれど、
貝塚さんは、倉本さんににこやかに微笑みかけると、
「あ、お帰りなさい。
ちょうど、よかった。
急ぎで支店長の判を頂きたい書類があって持ってきたところです」
そう言って、手にしていた書類を倉本さんに差し出したのだった。