婚約者☆未満
今、あたしの顔は最大級に真っ赤になってるに違いない。
「クッ、クッ、クッ……
まじか?
おまえ、天然?」
キーッ、悔しい!!
肩を震わせて笑う倉本さんにあたしは必死に言い訳した。
「だって、本店は家のすぐ隣だからバッグも持って出なかったんだもん。
ここまでは送ってもらっちゃったからお金なんていらなかったし……」
あたしが喋ってる間も、倉本さんはクスクス笑い続けている。
失礼しちゃう!
誰だって、忘れ物することくらいあるでしょ!