14怪談
僕が最後の段差を下りる。



すると苺色だった景色は忽然と姿を消し、まばゆく光り、辺りは昼間のように明るく輝いた。






僕の目に後ろ姿の女性が飛び込んだ。





その女性との距離はおよそ6メートル。




彼女の髪は、艶やかに光彩を放ち、風に揺られて凪いでいる。




彼女の傷のないきめ細かい肢体は、ウエディングドレスよりも白い純白なワンピースに包まれていた。




後ろ姿だけで十分わかる。





直子だ。




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