これが本当の大恋愛
私は、知美の元へと急ぐ。


「茉莉子」

私に気づいた知美が声をかけた。


「知美!ごめんね。私に頼みたいことって……」

大樹&翔也のせいで、大事な話を聞けなかったんだよね。


「いい。やっぱりいいよ。気にしないで」

「でも……」

「だから、もう、いいんだって。あっ、大樹君たち来たよ!」

私が振り返ると、確かに大樹と翔也が走っていた。


「バカ。店の中で走るな!他のお客さんに迷惑でしょ」

私がそう注意するのを見て、知美がクスッと笑った。


「つか、班長だって、走ってたじゃん」

大樹が、そう、ふてくされたように言った。


「私は走ったんじゃなくて早歩きしたの」

「あっ、そう」

そう言ってるけど、まだ納得してない様子だった。


「そう。ほら、さっさと行くよ?時間なくなっちゃう」

そう言って、私は、店を出た。


「おい、待てよ」

大樹と翔也が追いかけてきた。


「だから、走るなって言ってるでしょ!」

私が再び注意すると隣で知美が笑っていた。


だから・・・

私もつられて笑った。
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