恋するカメラ
でもこの二年は干からびた魚みたいに、
水の中を泳ぐことはもうなかった。

そして、失恋した女子がよく本屋で読む、恋本コーナーのマニュアル通り、
「自分磨き」に没頭した。
それはそれはいろんな習い事をしたケイマナの体験レッスンはほとんど行った。
ダンス、お花、写真、料理、アロマ、サーフィン、様々なスクール…

失恋は自分の心のキズのせいだと、心理セミナーや気功、カウンセラーにも会ったり退行催眠や占いもした。

一通りやりつくして、思ったのは、
そういうことじゃ、ないってこと。

誤魔化していただけで本当は彼氏が欲しいし、また恋を求めてる?

それに気づいたのは、やっとのことで習い事をしぼったうちの一つ、絵のスクールでのこと

彼は年下のデザイナーで、初めて会った瞬間に懐かしい感じがした
家の家族、弟に見た目似ていたからかな

マンガ好きの趣味が合い、ナウシカを貸してくれるとのことで了承
楽しく話ながら電車で帰った。

が、家に帰るとすぐさま気持ち悪くなり吐きそうになった。

なんで?いい人だったじゃん

自分に聞いてみても体は正直。
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