恋するカメラ
その瞬間、驚くことに
私は許したのだった。

あんなに色々しても許せなかった彼と自分を。

尊敬できる、いい部分がある、自分にも。

もっというと、人は悪いところもある、でも良いところもある
それが自然なんだ
じゃあ私がしてきた悪い過去も人間らしい

そしてわたしのいいところに光をあててみようと。

だからわたしは別れてから無意識に撮り続けた携帯写真、写メで切り撮った日常の幸せを写真集にして個展を開くことにした。

何気ない二年間、
ずっと一人で撮り続けた写真。

自分だけと向き合って…

振り返ると些細なものから撮っていた

春の桜、道ばたの小さな白い花、赤椿、そして何度も行った公園の木々…
時には海外の海の写真もあったけれど

もっと些細なものだった
今日作った晩御飯のスープ、冬に恵比寿で見たクリスマスツリー、綺麗な満月、カラフルなマカロン、猫

わたしがその瞬間に、イイ!と思ったもの
その瞬間に恋したもの

それらはちゃんと携帯に貯まっていた

愛の貯金みたいに…

誰がなんと言おうと、その写真をわたしはいいと思うし、自信を持ってみんなに見せたいから





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