ショートケーキ≪短編≫
「ありがとう!意外と早かったね!」



学校が終わったと同時に自転車を飛ばし、さっさと藍の所に来た!俺の中ではなによりも最優先事項になっている!



「意外と近かったからなぁ~」



「いくらかかった?」



「金はいいや!安かったしな」



「本当に!?ありがとう!所で達也の学校って?近いって言ってたけど」



「俺の学校は聖彩高校だけど。ギリギリ予備で受かったよ」



「う、嘘!」



藍の態度があからさまにおかしい。何かまずい事でも言ったか!?



「どうした藍?具合でも悪いのか?」



「ち、違うの…実はね、私もそこの高校受かったの。でもこんな身体だから辞退する事にしたの…」



いつも明るい藍が暗い。やっぱり藍はおどおどしている時が1番可愛いなぁ…



「ありがとう藍…」



「えっ?」



「先生に訊いたら辞退したのは1人だけ。その1人のお陰で俺は今の学校に入れた…だからありがとうなぁ!」



その後少し間を空けて、元気のいい声で、



「どういたしまして!」



病室に響きいた。
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