好きなんて言わないよ
こういうドジするとこも
変わらない。

そういう達也が
憎めないとこだったり。

「あみ、わりぃな」

「ううん。
袋を達也に全部持って
もらっちゃったから。」

「俺優しいとこ見せて
かっこよかったのにな。」

「はいはい、
そんなこといいから
どうする?このりんご。
袋破けちゃってるし
どうやって持ってかえる?」

「…食べるか!」

「いやいや、二人じゃ
食べ切れないって」

「困ったな。」
「困ったね。」

もう、空は
綺麗なオレンジ色に
染まっていた。

「見ろよ、空綺麗だな。
お前みたいに綺麗だな。」

達也が褒めることは珍しく
あみは驚きを隠せず
真っ赤な顔して顔を背けた。

「あんた、馬鹿じゃないの!
冗談とかいいから。」

照れ隠しであみは答えた。

「ううん。本気」

「やめてよ、
熱でもあるんじゃない?
恥ずかし。」

そんなこと言ったけど
あみは、
内心ちょっぴり嬉しかった。

いつも馬鹿にされてるからか
幼なじみに言われて嬉しいのか。

あみの心臓はドキドキしてた。
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