好きなんて言わないよ
あみは、家について
ドロドロになった靴を脱ぎすて
か細い声でただいまとつぶやいた。

「あら、おかえり。
どうしたの?
服そんな汚くして
先にお風呂入っちゃいなさい」

台所からあみの母が顔を出した。

「うん。ちょっとね。」

涙でくしゃくしゃになった
顔を見られたくなくて
うつむいて脱衣所に向かった。
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