好きなんて言わないよ
達也は強い口調で言った。

「お前なぁ、こないだ制服
クリーニングに出したばっかなんだぞ。
あぁ―あ、母さんに怒られる」

「今日追いて帰った仕返し」

「あのなぁ、俺はただ
お前らの邪魔をしないでやろうと
先に帰ったわけで、
仕返しされる筋合いはねぇよ。」
達也は、すかさず言い返した。

「なるほど。ヤキモチ妬いてんだ。」
あみがニヤニヤして言った。

「だーれがヤキモチ妬くかよ。
お前が誰と帰ろうが、
誰を好きになろうが
俺には関係ねぇよ。」

「…分かってるわよ。ばーか」

言い返してきたあみは
少し淋しげだった。
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