好きなんて言わないよ
「うん、よろしく」

あみは自転車を止めて
達也に手を差し出した。

達也も手を差し出し、握手をした。

ちょっぴり恥ずかしく
ちょっぴり嬉しい放課後の道。

「明日も、
先に帰ったりしないで
いつものように一緒に帰ろうね」

「お、おう。まぁ、
お前がどうしてもって言うなら。
いつもどうり帰ってやってもいいっ
…痛ってぇ!」

「なんで上目線なのよ」
あみが達也の背中を叩く。

「うるせー」

素直に一緒に帰ろうと言うには
まだ恥ずかしい達也だった。
< 44 / 45 >

この作品をシェア

pagetop