好きなんて言わないよ
達也は
その都度断ってきたが
そういう事は達也は
あみに教えてない。

あみは、
自分がヤキモチでも
焼くと思ってるのかとか
幼なじみだから
話してくれてもいいのに…
なんて思っていた。

「よし、あと少しだ。
あみ、ここの板の橋には、
気をつけろよ。
ぐらぐらしてるか……
おいっ!アホか」

達也が言った時には遅く
あみは田んぼに足がはまっていた。

「だ…大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ!
なんでこんな道通らすのよ。
靴まだ新しいのに…。
もう、最低。」

「俺は気をつけろって言ったぞ。」

「もっとまともな道無いわけ?」

「だって近道だし。」

「はぁ。来るんじゃなかった」

「ほら、とりあえずあがれよ。」

達也は手を差し出した。

あみは達也の手につかまった。
二人は、何か嫌な予感がした。

「ちょっ、おいっバカ」
達也はそのまま田んぼに突っ込む。

達也の服はドロドロになっていた。

「お前重いわ!
このTシャツ気に入ってたのに」

「あははは。ドロドロじゃん。
ちゃんと引き上げなかった達也が悪い。」

「なにがあはははだよ。」
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