好きなんて言わないよ
「なんだよ。二人して
俺をいじめやがって。
あみ、帰るぞ。」

「おう、帰れ、帰れ!
気をつけてな。
達也!また遊びにこいよ。
あみちゃんもおいで。」

「はいはい、りんごありがと。
じゃーな。」

おじちゃんにお礼して
一人二袋ずつ持って
二人で元の道を歩いた。

「ほら。かせよ」
「え?」

「袋。重いだろ。
一応お前も女の子みたいだし、
持ってやるよ」

「一応って…。いいよ、
大丈夫。これくらい持てるから」

「お前な、手真っ赤じゃん。ほら。」

達也はあみの手をとり見せた。

「わっ。ほんとだ。
達也は?大丈夫?」

「人の心配はいいから、
ほら、行くぞ。」

「あっ!いいよ。
しかも全部持たなくても。」

「俺結構、力あるからな。」

「何それ。私来た意味
ないじゃん、だから持っ。
あっ!それとも、
おじちゃんが言うように
私と一緒にいたかったとか?」

あみは、
おじちゃんのように
達也の髪をくしゃくしゃさせて
からかった。

「ばーか、そこはな…
達也君ありがとう。
やっぱり達也君ってかっこいい!
す・て・き!
くらい言ってみろよな。
可愛いげがねぇなぁ」

「気持ち悪。」

「なんだよ気持ち悪いって。
ありがとうくらい言えよ」

「はいはい、ありがと」

「やっぱり可愛くねぇ」
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