ルイとサク
誰もいない廊下を歩く。
「ルイ…」
「相田?」
階段の物陰から急に出てきたサクが俺を呼ぶ。
学校で名前で呼ぶなんて、なんと危険な。
うつむいていて顔を上げようとしない。
「…保健室…」
保健室?
あ、もしかして…
誰かに見られるとまずいので、腕をひっぱって空き教室に入った。
椅子に座らせて正面に俺も座る。
やきもち妬いちゃって、本当に可愛い。
「やきもち妬いてんの?」
「昨日、誘われたって」
「断った。サクだけだよ?」
安心すんなら何回でも言ってやる。