ルイとサク
ナツキは話したいだけ話して寝た。
アタシはナツキに布団を掛けて、毛布にくるまって寝た。
なんだか、幸せな夢を見た気がした。
しかしその夢はケータイの着メロで起こされた。
重たいまぶたをあけてケータイをチェックする。
時刻は夕方で、着信が四件。
すべてルイからのものだった。
まだ寝ているナツキを起こさないように布団から抜け出して、西日の眩しいベランダにでて電話をかける。
「…もしもし、ルイ?」
「サク!今どこにいんだ?」
ルイが心配してくれてる。
「お家にいるよ?学校サボってごめんなさい」
「別にいいけどよ…一言メールでも入れといてくれりゃ良かったな」
「ごめんね?気をつけるから。明日は学校行くね」
ルイは深くは聞いてこなかった。
それがルイの良いところね。