ルイとサク



体にありえないほどの力が入っていて、なんだか動けなかった。



「あれ?安田君に佐倉先生、どうしたんですか?顔が青いですけど」



何事もなかったかのように、普通に振る舞う東子ちゃん先生。



「な、なにを呼び出されてたんですか?」


「なにって…修学旅行?」


「は?」



それってありか?



「校長室前じゃアレなんで、移動しません?」



というわけで俺たち三人は保健室に来た。



「もうすぐ修学旅行でしょう?それでアレルギーの子がいるから気をつけてくれって言われただけです。なにか勘違いしてません?」



してますよ。



してましたよ、大いに。



「安田?」


「俺の早とちりみたいです…」



俺のドキドキを返せ!



でも、まぁ、安堵のあまりに軽く泣きそうになっている安田を責めようとは思えなかった。



俺って大人だし。



結局はなにもなかったんだしな。



俺も気をつけよ。



< 60 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop