ルイとサク
急にサクのことを深く知りたいと思った。
今まで怖くて踏み入れることができなかった、「家族」という領域も。
担任という権力を、乱用するわけじゃないが、まぁ知る権利はある。
「相田?三者面談…どうする」
ノートからひょいと顔を上げて、俺の顔を見る。
「…二者じゃだめ?」
…そんな顔で言われたら、OKしちまうだろ。
ぶりっこまではいかない、絶妙な首の角度。
見上げられるようなこのポジション。
サクは常習犯だ。
しかも天然のな。
天然だからこそ質が悪い。
まぁ可愛いから許しちゃうけど。
「親御さんと相談して、それで良いというなら良いぞ」
なんて優しい俺。
こんなに優しいのは、サクにたいしてだけだからな!