ドリーム・キャッチャー~はじめのいっぽ~
「まあまあ。久しぶりの4人なんだし」
一人だけ翼から離れている嵐が急になだめ役になる。
ゆっくり近づいてくる嵐を翼が横目で気にしているのを桜は見逃さなかった。
それは少し怯えているように見えた。
「あと一人だな」
玲緒が腕にしている時計を見た。
「じゃ、行くか」
玲緒を見てきょとんと首をかしげる桜。
「どこに?」
玲緒は強い眼差しで桜の目を見て、笑顔で行った。
「バスケ部のキャプテンとこ」
玲緒に連れられて来た体育館横のホールからは、誰かが走るキュッキュッという音とボールを床につく音が響いていた。
嵐は感心したようで口を開けたまま中を覗いた。
玲緒の横で、桜も恐る恐る入り口から見る。
すると、ユニフォーム姿の部員が一人、せわしなく動いていた。
体力なんて頭にないようで、必死で汗をかいている。
桜はドキッとした。
そしてなぜか悲しい気持ちになった。
こんな時間から、一人で練習に励んでいる姿は、すごく格好良く見えた。
でもそれを、知らなかった。
自分は何も知らなかった……。
一人だけ翼から離れている嵐が急になだめ役になる。
ゆっくり近づいてくる嵐を翼が横目で気にしているのを桜は見逃さなかった。
それは少し怯えているように見えた。
「あと一人だな」
玲緒が腕にしている時計を見た。
「じゃ、行くか」
玲緒を見てきょとんと首をかしげる桜。
「どこに?」
玲緒は強い眼差しで桜の目を見て、笑顔で行った。
「バスケ部のキャプテンとこ」
玲緒に連れられて来た体育館横のホールからは、誰かが走るキュッキュッという音とボールを床につく音が響いていた。
嵐は感心したようで口を開けたまま中を覗いた。
玲緒の横で、桜も恐る恐る入り口から見る。
すると、ユニフォーム姿の部員が一人、せわしなく動いていた。
体力なんて頭にないようで、必死で汗をかいている。
桜はドキッとした。
そしてなぜか悲しい気持ちになった。
こんな時間から、一人で練習に励んでいる姿は、すごく格好良く見えた。
でもそれを、知らなかった。
自分は何も知らなかった……。