夏雨シロップ。
「...おい、ナミ
部屋で待っとけよ」
...ナミか...
呼び捨てなんだ...
って、当たり前だよね。
彼女なんだもん。
...うわぁ馬鹿みたい。
ほんっと頭わる...
...私、何しに来たんだっけ。
「は〜い♪早くしてよぉ」
...できることなら此処から消えてしまいたいよ。
「...で、園部...」
「...ごめ、もういい...」
声が震えて泣きそうな私は
さぞかし貴方には、
馬鹿みたいに見えただったでしょうね?
「...え...」
「わた、し...本気で好きだったのに...酷いよ...」
「ちょ、園部?!」
「言ってくれればいいじゃん...嫌いだって!彼女いるって!
フればいいじゃん!」
どうして、その場で言ってくれなかったの?
待ってる間も
もっともっと、大好きになっちゃったじゃん...
...そんなの無駄なのに。
「...田辺くんの気持ちはわかったから...
二度と私に近付かないで...ッ」
無理矢理話を終わらすと
激しい雨の中、バシャバシャと足跡をさせて無我夢中で走り続けた。
――そう、あの日私の恋は、終わったんだ。