夏雨シロップ。

雨が嫌いな理由、




――高校3年生の夏。

真澄と私と長内と田辺くんはクラスでその頃凄く仲が良くて、
一緒に、教室でいつものようたわいもない話をしていた。


「園部は、冗談通じないよなー」


「なっ!!通じるよッ!!」


「そーゆうとこが通じてないんだよ、杏奈ぁ♪」


「...う...」


「でも、そういうの可愛いよ?」


田辺くんは、いっつも二人に弄られる私のフォローしてくれる存在で、

そう言ってくれるのは、恋愛感情なんか関係ないってわかっていたのに

...私は、少し自惚れていたんだ。



私も、田辺くんが好きだったから。

もしかしたら、なんて...



今思えば、
馬鹿だったなぁと思う。



< 6 / 29 >

この作品をシェア

pagetop