夏雨シロップ。
雨が嫌いな理由、
――高校3年生の夏。
真澄と私と長内と田辺くんはクラスでその頃凄く仲が良くて、
一緒に、教室でいつものようたわいもない話をしていた。
「園部は、冗談通じないよなー」
「なっ!!通じるよッ!!」
「そーゆうとこが通じてないんだよ、杏奈ぁ♪」
「...う...」
「でも、そういうの可愛いよ?」
田辺くんは、いっつも二人に弄られる私のフォローしてくれる存在で、
そう言ってくれるのは、恋愛感情なんか関係ないってわかっていたのに
...私は、少し自惚れていたんだ。
私も、田辺くんが好きだったから。
もしかしたら、なんて...
今思えば、
馬鹿だったなぁと思う。