君に愛の唄を



私はドキドキを誤魔化すように鞄に手を伸ばした。

そして鞄からあの指輪を取り出した。



「蓮、これどうすればいいの?」


「心菜が持ってて。心菜が俺のこと好きになったらつけて?」



蓮のことを好きになったら…?


そんな未来があるのだろうか、正直今は全然想像できない。



……できない?

……うん、できない。



「あー!早く俺を好きになれ!」



はぁ!?

なんてこと言うのよ!



「…そ、そんな簡単に好きになれないっつの!」


「確かに」



蓮はケラケラ笑いながら遠くを見ていた。


蓮……


蓮を見るとドキドキするのは気のせい?

告白されたせいだよね?



まさか蓮のこと───?


< 100 / 310 >

この作品をシェア

pagetop