君に愛の唄を
私はドキドキを誤魔化すように鞄に手を伸ばした。
そして鞄からあの指輪を取り出した。
「蓮、これどうすればいいの?」
「心菜が持ってて。心菜が俺のこと好きになったらつけて?」
蓮のことを好きになったら…?
そんな未来があるのだろうか、正直今は全然想像できない。
……できない?
……うん、できない。
「あー!早く俺を好きになれ!」
はぁ!?
なんてこと言うのよ!
「…そ、そんな簡単に好きになれないっつの!」
「確かに」
蓮はケラケラ笑いながら遠くを見ていた。
蓮……
蓮を見るとドキドキするのは気のせい?
告白されたせいだよね?
まさか蓮のこと───?