君に愛の唄を
「小さな幸せ、かぁ……凄いねココロさんは、僕も見習わなきゃな」
「そんなっ…滅相もない」
私はそう言って水沢蓮に背中を向けた。
あの水沢蓮に褒められた。
ココロが歌姫なら、水沢蓮は歌王子…
水沢蓮は私の憧れの歌手。
憧れだった人が目の前にいる。
「私、今なら上手く歌えそうです!……行って来ます」
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
私は屋上から中に入り、レコーディングスタジオに向かった。
水沢蓮っていい人…
蓮って名前の人はみんな優しいのかな?
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「はい、OK!心菜ちゃんお疲れ様~」
「ありがとうございました」
レコーディングが上手くいった。
「良かったよ心菜ちゃん。気分転換して正解だったみたいだね」
「はい!お疲れ様でした」
私はレコーディングを終えて、小走りでまた屋上に向かった。
水沢蓮がいるような気がした。
それに、もし水沢蓮がいなくても私が屋上に行きたい気分だった。