君に愛の唄を



屋上の扉をゆっくり開けた。

そこには夕日と……夕日を見つめる水沢蓮の姿があった。


やっぱりいた。


別に水沢蓮と約束したわけでもないし、絶対いるという確信もなかったけど……水沢蓮はいた。



「あ!ココロさん」


「どうも。レコーディング上手くいきました」


「そっか!良かったね。心配だったんだ」



心配してくれてたんだ…


無邪気に笑う水沢蓮はテレビで見ている姿とは全然違う。


テレビでの水沢蓮はすごくクールだ。



「あの…」


「ん?」


「…何で待っててくれたんですか?」



思いきったことを聞いたと自分でも思う。


私は水沢蓮がまだ屋上にいると思ったからここに来た。


水沢蓮はどうしてここに?


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