君に愛の唄を



どうしたんだろ…?

こんなに一気に好きになるなんて…


こんな想い方もあるんだなぁーって初めて知ったよ、私。


舞い上がってる。

私の心が踊ってる。


顔が赤くなっているのがこんなにわかるなんて……逆に恥ずかしい。


私は頬っぺたを両手で包みこんだ。



「もう無理…」



──ぎゅう…



ええぇぇえ?なに?は?


何が起きたのか全く把握できていない馬鹿な私がいた。



「もう水沢蓮のふりできねぇよ…」



水沢蓮の……ふり?


今、私を抱き締めている人はいったい誰?

私はいったい誰に抱き締められてるの?



「心菜…さっき言ったこと本当か?」



何で私の名前を知ってるの?

意味わかんない。


私はできるだけ体を後ろに向け、水沢蓮の顔を見上げた。



「……蓮?」


< 111 / 310 >

この作品をシェア

pagetop