君に愛の唄を
どうしたんだろ…?
こんなに一気に好きになるなんて…
こんな想い方もあるんだなぁーって初めて知ったよ、私。
舞い上がってる。
私の心が踊ってる。
顔が赤くなっているのがこんなにわかるなんて……逆に恥ずかしい。
私は頬っぺたを両手で包みこんだ。
「もう無理…」
──ぎゅう…
ええぇぇえ?なに?は?
何が起きたのか全く把握できていない馬鹿な私がいた。
「もう水沢蓮のふりできねぇよ…」
水沢蓮の……ふり?
今、私を抱き締めている人はいったい誰?
私はいったい誰に抱き締められてるの?
「心菜…さっき言ったこと本当か?」
何で私の名前を知ってるの?
意味わかんない。
私はできるだけ体を後ろに向け、水沢蓮の顔を見上げた。
「……蓮?」