君に愛の唄を



そこには真剣で優しくて……まさに蓮らしい瞳が私を見つめていた。


もしかして…

私、蓮に蓮のこと相談してた?


…恥ずかしーい!!!


てか……



「…最低……」


「あ?」


「最低!!」



私は蓮を強く突き放すと走って屋上を出て建物そのものも出た。


あり得ない!

乙女の恋心を聞いてて楽しんでたんだ!


ちゃっかり、自分のこと聞き出してさ…


もっと早く、言ってくれたって良かったじゃんか。


もっと早く…



てか…今まで見てた水沢蓮が蓮?


…信じられない。


だって水沢蓮の時は"僕"とか言ってさ、めちゃ優しく笑ってどっちかと言うと紳士だった。


蓮も優しいけど、水沢蓮との優しさが違う……上手く言えないけど、水沢蓮と蓮が同一人物には見えない。



うわー、なんか世の中に当たり前はないけどさすがにないでしょ…



なんか混乱してきたー!


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