君に愛の唄を
歌姫のピンチ
「おはよ!!心菜!」
「紗英、おはよ…」
紗英はいつでもテンションが高い。
朝が苦手な私にこのテンションについていける能力は無い。
紗英が羨ましい。
「今日ね転校生が来るんだって。し・か・も男らしいよ」
「何で今の時期に!?」
今は9月で二学期が始まったばかりなのに…
まぁ……、それなりの"家庭の事情"ってやつかな?
この世の中に当たり前なんてないから。
でも、この『世の中に当たり前が無い』が私の人生の転機だった。
ガラガラッ…
「席に着けー」
担任の声かけで、みんな席に着いた。
まだチャイム鳴ってないって・・・
「もう噂で知ってると思うが・・・今日、転校生が来てます」
眠い…
眠たい!!
寝てもいいかなぁ…
そんな事を思ってる私に当然、先生の声が聞こえはるはずもなかった…