君に愛の唄を


私は言われるがままに廊下に向かった。

その途中、蓮と目がバッチリ合った。


その目が少し怖かったのは気のせいかな?



「ごめん…今、時間あるかな?」


「え?……うん」



廊下で私を待っていたのは隣のクラスの男の子だった。


可愛くて、かっこいい。


見たことはあるけど、名前は知らない。



「好きです。付き合って下さい!」



え……?

えぇぇえぇぇええ!?


私は驚きのあまり目をパチクリさせた。


しかも、みんなに聞こえるような声で大々的な公開告白。

もちろん、蓮にも聞こえているはずで…


どんな表情をしているのか、見ることすら怖かった。


周りのみんなは「ヒューヒュー」とはやし立てたりして

「キャーキャー」と女子の黄色い声すら廊下や教室から聞こえてくる。
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