君に愛の唄を


「お前ら……マジで?」



みんなその問いの答えを息を凝らして待っていた。


みんなの緊張感が伝わってくる。



「だから、そう言ってんじゃん」



その時、私の左手と蓮の右手が繋がった。


久しぶりの蓮の体温。
夏なのにその体温が心地いい。


安心する……


その安心に私は涙が溢れそうになった。


もう、この安心を離したくない。


そうゆう気持ちを込めて、私は左手に力を入れた。


すると、蓮の右手がそれに応えるように優しく力を入れてくれた。


あ……

嬉しい。


蓮、好きだから。

私はちゃんと蓮が好きだから……



この手を離さないで?
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