君に愛の唄を
──バンッ!!
階段を勢いよく駆け上がり、久しぶりに見た屋上の扉を二人で開けた。
その扉の隙間から、
夏の鋭い日射しと
夏の生ぬるい風が突き抜けた。
青い空に白い雲…
いつかの夢に出て来た、
あの綺麗な空のようだった。
「はー!!久しぶりに走った!!」
「気持ちいーぃ!!」
二人の笑い声が心地いい。
汗が額を滑り落ちた。
それを手で拭った。
二人の距離が縮まっていくみたい。
二人の心の距離が…
屋上のアスファルトには手を繋いでいる私達のシルエットがそのまま映っていた。
私達、今ひとつに繋がってる。