君に愛の唄を


「もう、寝るなよ」


「ふぁ~…い」



あ…やば…い?


眉毛をピクピク動かしてる先生はなんだか面白かったけど、

笑ってしまったらこれこそ本気で怒らせそうなので我慢した。


みんなのクスクスと笑い声も聞こえる。



「中田!!欠伸しながら返事するなんて良い根性持ってるじゃないか!…放課後、職員室な」


「え!?ムリムリムリムリ!」


「拒否権なし!」



意地の悪い顔でそう言うと先生は教卓へと戻って行った。


みんな…笑い過ぎ。


不意に蓮と目が合った。
そして、蓮の口が微かに動いた。


え、なに?


蓮は口パクで何かを訴えてくる。



「え?…ば……か……」



馬鹿!?

なによ、馬鹿って!


でも……その後の無邪気な笑顔を見ると許してしまう。


惚れた弱味…?
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