君に愛の唄を
「心菜って本当に面白いよね」
「面白くない…」
夏休みの宿題やら通知表をカバンに詰め込みながら口を尖らせた。
くそー!
「んじゃ、行ってくる」
「あっ心菜、夏休み遊ぼうね」
「うん、メールする!」
私はカバンを雑に持つと職員室に向かって歩いた。
夏の学校の雰囲気、好きだなぁ…
「ここなぁー!」
「あ、蓮…」
なぜか息を切らしながら走って来た蓮。
私も蓮の方に歩いた。
「一緒に帰ろ?」
わざわざそんなことを言いに、こんな暑い中走って来たの?
やば……嬉しい。
「でも私、今から職員室だから…」
「いいよ、待ってる」
今日の蓮…優しい。
どうしたんだろうか?