君に愛の唄を
蓮と二人並んで歩くって久しぶりかもしれない。
学校から一緒に帰るなんて初めてだ。
「今日の蓮…変」
「え?…やっぱり?」
蓮は頭をかくと「んー」と腕組みをした。
「いや、仲間がさ…」
「おーい!!」
視線を蓮から前方に向けると懐かしい大好きなシルエットが見えた。
あれは…!
「陸…!」
陸はスーツを着ていて、やっぱりサラリーマンなんだなと思った。
私と蓮は陸の方へ急いだ。
「おー、やっぱりお前達か」
「俺達じゃなかったらどうすんだよ…」
「んー、逃げてたかな」
笑い合う蓮と陸。
久しぶりに見た陸の姿はやっぱりカッコいい。
だけど、今は横で笑う蓮の方がカッコよく見える。
恋しちゃうと、
何でも一番に見えちゃうみたい。