君に愛の唄を
「素直になれよ蓮。本当は心菜のこと、好きで好きで仕方ないくせに」
えっ?そうなの?
私はそーっと蓮の顔を見た。
その顔は真っ赤に染まっていて、まるで蓮じゃないようだった。
いやでも、蓮らしいって言ったら蓮らしいのかな?
「見てんじゃねーよ!」
そう言って蓮に頭を小突かれた。
「痛!なにす…」
その時、手をグンッと引っ張られてバランスを崩した。
でも、ちゃんと転ばないように蓮が私を支えていたようで転ばずにすんだ。
「ちゃんと好きだから…」
え?…───
「心配すんな…」
そう蓮が私の耳元で呟いた。
目の前の全てがスローモーションのように流れて行く……
ねぇ、人を好きになることに限度とかあるのかな?
蓮のこと、
好きになっても
好きになっても
好きになる。
まるで限界がないみたいに…