君に愛の唄を


「蓮くん!ご飯食べて行くでしょ?」


「おう!」


「心菜ちゃんは?」



さすが奈々さんだ。

もう、切り替えてるよ。


すっかり主婦の顔。



「食べてけよ。親に電話してくれば?」



陸は優しい笑顔を見せて言った。


私はお言葉に甘えて、奈々さんの手料理をご馳走になることになった。


家には友達とご飯食べてくると電話して、OKをもらった。


さすがに彼氏のお兄さんの奥さんにご飯をご馳走になるとは言えなかった。



「陸、ベランダに出てもいい?」


「あぁ、いいよいいよ」



私は一度、陸に微笑みかけてベランダに足を踏み入れた。


もう、すっかり夜空。


私はポケットからメモ帳とシャーペンを取り出した。


そしてメモ帳にシャーペンを滑らせた。
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