君に愛の唄を
歌姫の夏休み
「あー、美味しかった!奈々さんご馳走さまでした」
私は手を合わせてお茶碗やらコップをキッチンの流しに持って行った。
そしてスポンジに洗剤をつけ、泡立てた。
「心菜ちゃん、置いとくだけでいいわよ?後でまとめてやっちゃうから」
「いえ、ご馳走になったんだから洗い物ぐらいしますよ」
そうそう。
“できることはやる!”
これは家の鉄則だから。
私、家事は意外にできちゃうんだから。
「手伝うよ…」
横には優しい笑顔の蓮がいた。
「あ、ありがとう…」
なんか……
仲良し夫婦みたいだね。
照れちゃう。
私が食器を洗って
蓮が食器を拭く。
初めての共同作業…?
「お前達、良い夫婦になれそうだな」
──ガッシャン…!
その言葉に食器を落としたのは私…
と蓮だった。