君に愛の唄を
「キス、していい?」
「…そうゆうこと…聞かないでよ」
ごめんね?
私、素直じゃないから“いいよ”って言えないんだ。
蓮ならわかってくれるよね?
「ふーん………じゃあしない」
蓮の悪戯な笑顔。
蓮ってホントいろんな笑顔持ってるね。
「……いじわる」
「うそうそ。ごめんって…」
その瞬間に私の顔に影がかかる…
蓮のカッコよくて綺麗な顔がだんだんと近づいてくる。
──ドキドキドキ…
不意討ちのほうが良いのかもしれない。
…心臓が爆発しそうだ。
半ば投げやりに私は視界を閉ざした。
唇から伝わってくる蓮の体温が心地いい。
そして、お互いの唇が名残惜しそうにゆっくりと離れていく。
「なんでこんなに緊張すんだろ…」
「同感……」
でも私、本当はわかってるんだ。
蓮が好きだから。
蓮が好き過ぎるから、
こんなに緊張するんだ。
蓮と過ごした一秒一秒が宝物になっていくんだよ。
そして胸に焼きついて離れない。