君に愛の唄を
「暑い…」
私は席に座ると下敷きで顔を扇いだ。
夏なのに全力で走るのが間違いだったんだ。
蓮を見ると蓮も暑そうにしていた。
あー、暑い!
蓮のせいなんだからね!
「おはよ、心菜」
「あ~紗英…おはよ」
私は鎖骨まである髪をひとつに束ねた。
いわゆるポニーテールってやつだ。
うん…
まだマシかな?
──ガラガラッ…
「ほらー、席につけよ」
うげっ!
先生じゃん!
まだ、チャイム鳴ってないのに…
なんて先生に逆らえるわけもなく、みんな席につき始めた。