君に愛の唄を


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「送ってくれてありがと」



私がそう言うと蓮は笑いながら顔を横に振ったんだ。


うん。

蓮の笑顔が大好き。


いつ見ても胸が高鳴るんだ。


私は一度蓮に笑顔を向けると玄関に向かって歩き出した……時だった。



「なぁ、なんか忘れてね?」



蓮は、その声に振り返った私の腕を取り、引き寄せると私に突然キスをした。


フワッと蓮の甘い香りが私を包み込んだ。


優しい時間が流れ出す。


私は目を閉じるところか、逆に目を見開いてしまった。



「さよならのキス…」



今にも顔から湯気が出そうな勢いだ。


嬉しいけど…
嬉しいんだけど…
嬉しいんだけどね…


不意をつかれると困るー!!!


何をどう困るのかと聞かれるとどう答えていいかわかんないけど……



とにかくビックリすんの!
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