君に愛の唄を


──シャッ…



カーテンを開ける音。


なぜか私は咄嗟に目を閉じて寝たふりをしてしまった。



「寝てるのか?」


「……」



今さら目も開けられないし…



「ふーん…」


「……」



何よふーんって。

なんか、変な汗出てきたし…



──サワッ…



髪の毛に温かい間食。

きっと、蓮が私の頭を撫でてるんだ。


なんか、ドキドキする…



「好きだよ…」



えぇぇええぇぇ!!


そんなこと寝てる私に言う?

いや…寝てないんだけどね。


とろけそうな蓮の低くて甘い声。


…心が奪われる。



──ドキッ!!



蓮の手が私の頬に触れた。


頬に私の全神経が集中して、蓮の温もりをよりリアルにする。


ヤバい…

心臓が壊れそう…!
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