君に愛の唄を


私って馬鹿だ……

何で気づかなかったんだろう。


ありがとう、蓮。



「心菜…大丈夫?ごめんね、無理やり……今からでも」


「紗英!!私、頑張るよ!!」


「へ?」



紗英の間抜けな声なんて気にせず、私は立ち上がった。


なんか小さな幸せに気づいたら、バレちゃうとかバレちゃわないとかどうでもよくなっちゃった。



「どうしたの、急に…」


「頑張ってるみんなを見て、歌うことを嫌がってる自分がすっごい惨めに思えちゃったの」



みんな、学園祭というイベントのために汗水たらしながら一生懸命やってる。


でも、みんな笑顔なの。

みんなみんな輝いてるの。


本当は暑くてキツイはずなのに、みんなは嫌な顔ひとつせず頑張ってる。


それなのに私は……
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