君に愛の唄を
歌姫のピンチ2


季節はすっかり秋で、でもどちらかというと冬の方が近い10月の終わり。


私達のクラスには学園祭の《売り上げNo.1》と《人気No.1》の賞状が飾られている。


予想以上の人気にびっくりした。


この結果から学園祭は大成功。


売り上げ金は全て病院やボランティア団体に寄付したらしい。



「失礼します…」



私は担任に職員室に呼ばれていた。


理由は……

進路のことだと思う。


みんな受験勉強にストレスを抱えている中、私は毎日ボイトレ。


私の進路はもう決まっていた。



「おぉ、中田。…何で呼び出されたかわかってるな?」


「はい…」



そう言うと担任は笑顔になった。


でも、私が変わらず真剣な表情をしていたからなのか、担任も真剣な表情に戻った。
< 256 / 310 >

この作品をシェア

pagetop