君に愛の唄を
歌姫のピンチ2
季節はすっかり秋で、でもどちらかというと冬の方が近い10月の終わり。
私達のクラスには学園祭の《売り上げNo.1》と《人気No.1》の賞状が飾られている。
予想以上の人気にびっくりした。
この結果から学園祭は大成功。
売り上げ金は全て病院やボランティア団体に寄付したらしい。
「失礼します…」
私は担任に職員室に呼ばれていた。
理由は……
進路のことだと思う。
みんな受験勉強にストレスを抱えている中、私は毎日ボイトレ。
私の進路はもう決まっていた。
「おぉ、中田。…何で呼び出されたかわかってるな?」
「はい…」
そう言うと担任は笑顔になった。
でも、私が変わらず真剣な表情をしていたからなのか、担任も真剣な表情に戻った。