君に愛の唄を
「中田は就職希望に丸つけてたよな?本当にそれでいいのか?」
「はい」
「中田は馬鹿じゃない。だから頑張れば大学には行けるぞ?それに中田は音大って道もあるけど…」
音大…
私も行きたいと思った。
だけど、私は今の音楽スタイルを崩したくはない。
「先生、私は就職を希望します」
先生は少し残念そうな顔をした。
それでも私の気持ちは変わらない。
「そうか……
職柄は?どんな職がいいんだ?」
「歌手です」
「は?」
私の即答に思わず溢してしまった言葉に先生は「いやいや、すまん」とつけ足した。
信じて、くれるかな?